笑ったら笑い返す

2/9(金)に能登半島地震にて被災した方へのボランティアに行ってきました。

家屋倒壊など大きな被害があった場所からは100kmほど離れた金沢市にある大規模な体育館、そこに1.5次避難として集まっている方が200名ほどおられます。

今回、日本介護福祉士会の募集にてボランティアとして参加した私は、その体育館内で介護を必要とする方への介護支援が主な役割です。

時間は6:00~19:00。

体育館内を大きなパーテーションを使って廊下やエリア、部屋を分けて対応しておられました。

この日に集まった介護支援ボランティアの方は横浜、兵庫、京都、長野と様々なところから来られていました。私も含め、皆さん今回が初日の方ばかり。不安な思い強く、私も含め、表情がかなり硬い様子でした。

活動開始時、まずは備品や設備の説明を受けます。そして夜勤帯の方、リーダーの方から申し送りを受けて私達が関わる方々の状況を把握。班分けをして持ち場が決まり、支援を要する方の主な情報は、部屋の前にある情報を元に賢明に状況を読み取ります。

その情報は疾患、食事、排泄、服薬、口腔、歩行状態、支援経過など多岐にわたる物が、部屋の外に貼ってあるクリアファイルに入っていました。アセスメントシートみたいに整っているものではありません。DMAT(災害派遣医療チーム)など各専門職によりその場で作り上げた大切な情報が、急いで書かれた様子がわかる程の形で残されていました。この情報が今おられる方を繋いでこられたのでしょう。

他にはどちらにお住まいだったかの情報もありました。

倒壊した家屋が多い輪島や火災のあった珠洲市など、本当に大変な思いをされたであろう方が多くおられ、胸が痛くなりました。

私が活動した体育館は震源地より離れているためか、被害はあまり感じられません。

ですが避難しておられる方の状況を鑑みると、そこは紛れもなく最前線でした。

その中で、介護支援が必要な方はそれほど多くありませんでした。

空き部屋も多数あり、介護支援専門員の方も動いている場面をよく見ました。2次避難先が決まっていったということなのでしょう。とても喜ばしいことです。

しかしそれでも、様々な問題が出てきていることを確認しました。

聞くと新型コロナ、インフルエンザが広がったことがあり、主に個室対応が長かったようです。

夜勤帯の方からは昼夜逆転、意欲や食欲の減退などがあると聞きました。

そのため、私達は希望者の方に集まって頂き、体操やレクリエーションを実施、歌も歌っていただいたりと活動量が増えるようにしました。

また車椅子で散歩、コーヒーブレイク(売り切れ!)など気分転換が出来るよう支援しました。

その中でご自身のお話を聞かせていただいたり。

思いを聞く中で、震災についてもう1ヶ月と捉えるか、まだ1ヶ月と捉えるか。

その感覚は人それぞれであり、今懸命に現状を咀嚼している様子だとうかがい知ることができました。

また、石川のテレビや新聞は、今も多くの被災した様子や仮設住宅の進捗状況を発信しています。

この感覚は、私含め他県にいるとわかりにくいところかもしれません。

先にお伝えすると、全国ニュースが悪いわけではありません。しかしその地方のテレビ局、新聞からは脚色などない、密度の濃い、ありのままの現実を突きつけられている感じがします。

そこには多分希望もやるせなさもありますが、それを皆さんはジーッと見ているのです。

私は一緒に、寄り添いながらその様子を見ていました。

笑って話しておられるときは笑って返す、それでいいかなと思います。

あとは目があったら手を振る、でしょうか。

食事介助、誘導、消毒、シーツ交換、入浴支援、様々な支援をしていると、この日の私の活動はあっという間に終えた感じがしました。

しかしながら、この文を書いている日も地震は2回起きています。

能登半島地震は終わってはいません。

そしてこの日のボランティアを通して得た思いは次の行動に引き継いでいこうと思います。

私は みんなでボランティアに行こう、とか言う気はありません。

偉そうな顔するつもりも、さらさらありません。

そんな人がいるんだな、とか「あのさ介護支援ボランティアってこうらしいよ」とかそう知って頂けたら十分です。

次回はこのボランティア活動で得た知見をお伝えできたらと思います。

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